国立感染症研究所 感染症情報センター
Go to English Page
ホーム疾患別情報サーベイランス各種情報
高病原性鳥インフルエンザ

WHO 更新情報
  鳥インフルエンザ:鳥での感染が発生した新たな地域−更新34

    2005年10月13日 WHO(原文

国際獣疫事務局(OIE)で実施された検査により、トルコの飼育鳥から採取された検体中に高病原性のH5N1鳥インフルエンザの存在が本日確認された。

ルーマニアでは、最近の家禽の死亡に対する調査で現在までにH5亜型の鳥インフルエンザウイルスが同定された。株を確定しウイルスが高病原性かどうかを判定する追加的検査が現在行なわれている。両国の当局はOIEとFAOが推奨する制御方策を実施している。WHOは両国の研究施設での検査を支援するため、診断試薬やその他の物資を送っている。双方の集団発生から得られたウイルスは、OIEとFAOのリファレンス研究施設である中央動物研究施設(英国:Weybridge)へ更に分析するために送付された。ウイルスはまたアジアのヒトから分離されたH5N1との比較のため、WHOリファレンス研究施設へ送付されている。

公衆衛生的意義

新たな地域の家禽へのH5N1の広がりは、ヒト症例がさらに発生する機会を増加させる点で懸念がある。しかし、現在までの全ての証拠により、H5N1は鳥から容易に広がってヒトを感染させてはいないことが示唆されている。WHOは家禽での集団発生に直面している国々に対し、特に殺処分の際の防御策を遵守し、曝露歴の可能性のある人に対して熱や呼吸器症状の監視をすることを勧告している。H5N1感染の初期症状は多数の他の一般的呼吸器疾患と類似しているため、誤った警告が出されることも十分あり得る。

WHOのパンデミック警告レベルはフェーズ3(ヒトにとって新たなウイルスが感染を起こしているが、ヒトからヒトへと容易には広がらない)のまま変わらない。

WHOは、家禽における高病原性H5N1の集団発生に直面している地域を旅行する人々に対して、生きた動物の市場や家禽農場との接触を避けるよう引き続き勧告する。感染した鳥の排泄物には多量のウイルスが分泌されていることが知られている。H5N1が発生している国の人々に対しては、死んだ渡り鳥や病気の徴候のある野生の鳥との接触を避けるよう勧告する。

感染した家禽やそれらの排泄物で汚染された表面や物との接触は、ヒト感染の主な経路と考えられる。曝露リスクは、家禽を食するための殺処分・羽の除去・食肉処理・調理の間が最も高いと考えられる。適切に調理された家禽・家禽製品が感染源になるという証拠はない。

渡り鳥の経路に位置する国は、野生および飼育鳥の病気の徴候に対し注意しておく必要がある。最近の事例は、高い病原性を持ったかたちでH5N1ウイルスが直接広がったことに対し渡り鳥が関与している可能性が高い。

(2005/10/14 IDSC 掲載)

 * 情報は日々更新されています。各ページごとにブラウザの「再読み込み」「更新」ボタンを押して最新の情報をごらんください。

Copyright ©2004 Infectious Disease Surveillance Center All Rights Reserved.