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高病原性鳥インフルエンザ

WHO 更新情報
  鳥インフルエンザ−インドネシアにおける状況−更新25

    2005年7月21日 WHO(原文


インドネシアの保健省は7月12日に死亡した38歳の父親が、国内で最初のH5N1型ウイルス検査陽性のヒトの鳥インフルエンザ例であることを報告した。彼のふたりの娘もH5N1型感染に合致する重症肺炎によって死亡しているが、検査結果が未だ得られていない。7月14日と7月9日に死亡した、8歳と1歳の娘からは限られた量の検体が得られている。


8歳の子供が発熱、下痢、それから咳で6月24日に発症した。彼女は6月28日に、タンゲラン(Tangerang:訳注ジャカルタ郊外)にあるSiloam Gleneagles 病院に運ばれたが、発症から20日後に同病院で呼吸器不全のため死亡した。1歳の方の子供は、6月29日に発熱、下痢、咳で発症し、ついには呼吸不全となり、発症後10日で死亡した。父親は7月2日に発熱、軽いかぜ症状で発症し、その後、咳がみられるようになり、7月7日に同じ病院へ運ばれ、発症後10日で死亡した。この38歳の父親から採られた検体が、香港大学の微生物学教室と米国アトランタの疾病予防対策センターにある、WHOのH5リファレンス研究施設での検査で、鳥インフルエンザH5N1亜型ウイルス陽性となった。ふたりの子供からの検体は検査中である。

同居者の残り4人(家族ふたりと家事労働のための被雇用者ふたり)は健康であり、本日までのところ何ら症状を呈していない。保健省は、医療従事者、家族、学校および職場の同僚、隣人を含む、300人を越える接触者を注意深く経過観察している。これらの人々のうち、本日までの何らかの症状を呈した者はいない。

推定される感染源の特定のために、インドネシア保健省、農業省、米国海軍医療研究ユニット2(United States Naval Medical Research Unit 2)およびWHOからの人員を含むチームによる調査が、現在も続けられている。あらゆる家禽との接触の可能性(例:市場商人、小売食品店、ペットの鳥類)が調査されると同時に、家族および隣人を始め患者の接触者や医療従事者から血清検体が集められた。環境および動物関連の検体採取は農業省により行われた。

医療施設および医療従事者への保健教育は、鳥インフルエンザが初めてインドネシアで報告された、2004年1月以降継続されている。保健省は、インフルエンザ様疾患のサーベイランス、集団発生調査、適切な隔離とバリアーナーシングを強化するためのセミナーやワークショップをWHOと協力し開催した。医療および獣医関係者を感染から守るための個人防御装具(personal protective equipment)の備蓄、治療および必要に応じて予防投与に用いるための抗ウイルス剤の調達が現在も続けられている。一般社会への支援のために、手洗い、病気の動物との接触の回避、安全で衛生的な家きんの取り扱いと調理を含む、一般的な健康上の予防策についての情報を提供した。

(2005/7/22 IDSC 掲載)



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