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  鳥インフルエンザのベトナムにおける状況−更新6

    2005年1月27日 WHO(原文


ベトナム健康省は今日、検査確認されたH5N1亜型鳥インフルエンザのヒト感染症例をさらに2症例報告した。

最初の新規報告症例は南部のドンタップ省(Dong Thap Province)在住の35歳女性である。この人は1月14日に発症し、20日に入院し、その翌日に死亡した。

第2の新規報告症例は南部のバクリュー省(Bac Lieu Province)在住の17歳の男性である。この人は1月10日に入院し、1月14日に死亡した。

これらの追加症例を加えて、2004年12月中旬以来ベトナムでの症例は計10例になる。そのうち9例が死亡している。

ベトナム北部における最近の家族内集積例

以前に公表された通り、ベトナム北部の家族内集積例が詳細な調査の対象となっている。この集積例には3人の兄弟が含まれている。ベトナム当局はそのうち2人がA型インフルエンザH5の感染であることを明らかにした:46歳の男性とその人の42歳の弟である。兄は12月26日に発症し、1月9日に死亡した。弟は呼吸器症状で1月12日に入院し、今は完治している。弟は兄の重症期に、兄に対して病床でケアを行なったことが知られている。

この兄弟の感染源は特定されておらず、調査が続けられている。36歳になる末の弟は観察のみの目的で入院したが、症状を呈さず、その健康状態は良好である。調査の一環として行なわれた検査の結果はまだ出ていない。確定した2症例の臨床検体は更に詳細に調べるためにWHO協力センターに送られている。

医療従事者、その他の家族の人々、2人の兄弟がそれぞれ住んでいた地域の住民の中でさらなる症例を探すサーベイランスが行なわれたが、現在のところ更に症例がいる形跡は発見されていない。限定的なヒトーヒト感染が起こったとしても、現段階での全ての証拠が示唆することは、感染伝播のつながりが一人の感染者で断ち切られたことである。

家族の人々によるケアの際の感染伝播の防止

アジアの数カ国において家禽の高病原性H5N1鳥インフルエンザ集団発生が現時点で拡大していることを考えると、散発的なヒト症例や偶発的な家族内集積例が更に発生すると予測される。今日までの経験により、ヒトーヒト感染の可能性のある事例は、主に重症の患者に家族が長時間密接に接する際に起こったことが示唆される。WHOは、医療従事者や家族の人々を含む密接な接触者に患者からH5N1感染が伝播する機会を最小限にするために、医療施設で取り入れることができる予防策のガイダンスを発行している。

時間と場所の点で密接に関連しているH5N1症例の集積を迅速に検知し調査することは、このウイルスの感染伝播能力が変化した場合、それを早期に警告することができる重要なサーベイランス活動である。

(2005/1/28 IDSC 掲載)

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