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インフルエンザ

WHO 更新情報
  鳥インフルエンザのベトナムにおける状況−更新5

    2005年1月21日 WHO(原文


ベトナム北部の2人兄弟における鳥インフルエンザ感染(H5ウイルス亜型)が検査結果により確認された。最初の症例はタイビン省(Thai Binh Province)在住の46歳男性で、1月1日に発症した。この人は1月9日に死亡した。

鳥インフルエンザのベトナムにおける状況-更新4(英文)

(情報センター訳、日本語)

この人の42歳の弟はハノイに在住しているが、兄が発症してから9日後の1月10日に発症した。弟はハノイの病院に入院しており、回復している。彼は、ハノイの同じ病院で治療を受けていた兄の病床でケアを行なったことが知られている。これらの新たな症例をとりまく状況に関する調査は2つの仮定を想定している。

第1の仮定は、42歳の弟が兄から直接感染伝播を受けた可能性を想定している。現在までにあるすべての確証によれば、限定的で持続性のないヒト−ヒト感染の弧発事例はヒトでの鳥インフルエンザウイルスに関して予想されうる。

そのような症例が発生しても、現在のパンデミック警戒レベルに何ら変更を要求するものではない。2人に密接に接触した者の呼吸器症状に関する強化サーベイランスがタイビン省とハノイで開始され、それらの人々の間に呼吸器疾患の症例は現在のところ一例も検知されていないことは安心を与えるものである。

ベトナム健康当局は、この兄弟の感染源に関する調査を直ちに開始した。ベトナムのWHOスタッフは当局からの情報を随時得ている。

第2の仮定は、直接的な家禽―ヒト感染源の可能性に絞っている。暫定的所見によると、なまのカモの血やなまの臓器を含む料理が出された家庭での食事が指摘されている。

ベトナムの公衆衛生当局は、なまのカモの血やなまあるいは不適切に調理された家禽製品を含む料理を消費しないよう、繰り返し忠告している。予防的方策として、なまの家禽部位や臓器を含む料理を伴う前述のような食習慣は、家禽における高病原性H5N1亜型鳥インフルエンザの集団発生に直面しているすべての国々において避けるべきである。

現在までに、家禽との接触に関連づけられる大多数の症例は、家の周りの死鳥・病鳥に対する曝露ののちに感染を発症したと考えられる。殺処分、羽毛除去、調理のための家禽の処置の間に特にリスクの高い曝露が発生することを示唆する証拠がある。

適切な調理によりH5N1ウイルスは殺滅される。一般的に、すべての部位がその内部温度が70度に達するまで家禽を調理することを、WHOは推奨する。完全に調理された家禽と卵製品の消費に関連づけられるH5N1感染の症例は1例もない。

鳥インフルエンザ:食の安全の問題(英文)

(情報センターHP、日本語)

35歳の弟が入院しているというメディア報道は確認されていない。

最新の2症例を加えて2004年12月以来ベトナムでの症例は計8例になる。そのうち7例が死亡している。以前報告されたティエンザン省(Tien Giang Province)の18歳の女性は1月19日に死亡した。

ヒトの高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)感染確定症例(2004年1月28日以降)

(2005/1/24 IDSC 掲載)

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