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インフルエンザ

WHO 更新情報
  鳥インフルエンザのベトナムにおける状況−更新2

    2005年1月13日 WHO(原文


ベトナムの保健省は本日、2004年12月以来4例目の、H5N1亜型鳥インフルエンザウイルス感染例の発生を確認した。この患者は、南部のティエンザン省(Tien Giang Province)の18歳の女性である。彼女は1月1日に発症し、5日に入院した。現在も、入院中で重体である。今年に入り報告されたこの他の3例のH5N1感染例は、それぞれベトナム南部の異なる省に在住していたが、全員死亡した。

今回の症例により、2004年1月以来ベトナムからの報告数は31例となり、そのうち23例が死亡した。

ベトナム政府は、本日、鳥インフルエンザ対策の全国会議を開催した。この会議には、ベトナム駐在のWHOおよびFAO代表者らと共に、ベトナムの全省から保健および地方政府の対策の鍵となる担当者が招かれている。動物およびヒトにおける鳥インフルエンザの状況の最新情報と、春節(Lunar New Year)の祭りに向けて、鳥インフルエンザ感染制御に必要な強化対策に関する情報と指針が参加者に提供された。


東南アジアの津波と鳥インフルエンザのリスク

今般東南アジアで発生した津波が、鳥インフルエンザのパンデミックが生じるリスクを増加させたのではないかと言う懸念が示された。パンデミック発生のリスクの大きさは、家禽の間で、どのくらいH5N1亜型インフルエンザウイルスが広がっているのか、ヒトへの感染伝播の頻度、現状におけるヒトインフルエンザウイルスの流行状況に依存する。鳥インフルエンザの発現頻度の最も高い地域は、津波による直接的な被害は受けていない。したがって、津波そのものからの、直接的なパンデミック株の発現リスクの増加は無い。

しかしながら、鳥インフルエンザを拡散するような活動であれば何でも、パンデミック株の出現の可能性を増加させる。鳥インフルエンザを、津波による被害を被った地域に持ち込んでしまうリスクは、鳥インフルエンザの集団発生が起こった地域からの家禽の移動を制御することで、最小限に抑えられる。そしてまた感染家禽を、緊急食糧支援を含めた食品流通から確実に外すことが重要となる。

(2005/1/14 IDSC 掲載)

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