本日ベトナム保健省は、H5N1亜型鳥インフルエンザのヒト感染症例をさらに10例確認した。本日の報告は、この3月に感染が検出された最近の数例と、中には1月下旬にまでさかのぼる過去の症例に対する後ろ向きの報告とをまとめて、WHOに公式報告されたものである。これらの新規報告症例のうち、3例が死亡している。
この症例報告は保健省内においてWHOハノイのスタッフと共同で確立された新しい報告手順に沿ったものである。
本日の公式報告により、2004年12月中旬以来ベトナムでの検査確定した症例は計24例になる。そのうち13例が死亡している。
保健省からのさらなる情報を待ちながら、WHOは24症例すべての発症日、予後、在住している省の詳細情報を表形式で発行する予定である。
時間的・場所的に密接に関連している可能性のある症例を含めて、新規症例に関する完全な情報は、H5N1亜型ウイルスにより引き起こされうる世界的大流行のリスクを継続的に評価するのに不可欠である。家族内あるいは医療従事者間で発生している症例の小集積をタイムリーに検知することを確実にするためには、それぞれの新規症例についての迅速なフィールド調査が必須である。このような小集積事例は、ウイルスがヒト集団においてその振舞いを変化させているという最初の兆しとなり、従って当局に対して迅速に介入を行なう必要性を警告することになる。
2004年1月以降の(すべての国における)鳥インフルエンザのヒト感染症例総数
2003年12月からアジアのいくつかの地域で起こっている、家禽間の鳥インフルエンザの集団発生に関連した最初のヒト感染症例は2004年1月にベトナムおよびタイで報告された。それ以降全部で69例が報告され、そのうち46例が死亡例である。
ヒト感染症例はこれまで3つのフェーズで起こっている:最初が2004年1月から3月の時期に(35例、うち24例死亡)、つぎに2004年8月から10月の時期に(9例、うち8例死亡)、そして2004年12月から現在まで(25例、うち14例が死亡)である。現在のフェーズでは、ベトナムの症例に加えてカンボジアの一例を含む。
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