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WHO 更新情報
  鳥インフルエンザ−ベトナムにおける状況−更新10

    2005年3月7日 WHO(抄訳/原文


ベトナム保健省はH5N1亜型鳥インフルエンザのヒト感染症例をさらに4例確認した。 その4例に関する詳細は以下の通りである:

  • タイビン省(Thai Binh Province)の21歳男性。この患者は2月14日に発症し、2月20日に入院した。
  • この患者の14歳の妹、同じくタイビン省在住。この患者は2月21日に発症し、翌日入院した。
  • 同じくタイビン省在住の69歳男性。この患者は2月19日に発症し同日入院し、23日に死亡した。
  • ハノイ出身の35歳女性。この患者は2月18日に発症し24日に入院した。


WHOはベトナム保健省と協同して、2月2日以降に発生した可能性のある症例をさらに調査し続けている。その調査によりWHOは確定症例の累積リストを更新する。

今年初めには、WHO、東京の国立感染症研究所、そして米国の疾病対策予防センター(CDC Atlanta)の専門家が、ベトナムにおける鳥インフルエンザウイルスの実験室診断の感度と特異度を改善するため、ベトナムの保健当局と共同で動き始めた。この活動は実験室診断の能力を強化し、職員のトレーニングを含むものであるが、同時にベトナムで検査されたときにH5N1ウイルス陰性とされた患者のサンプルを東京で再検査することも行われた。この際の検査により7人の患者からの検体が陽性とされた。WHOはこれらの症例について、転機がどうなったかを含めた詳細な情報が来るのを待っている。これらの情報を入手してから、WHOは確定症例の累積リストに追加を行う。

また、ベトナムでの脳炎研究の一環として保存されていた検体から、2004年2月にもう一例の鳥インフルエンザ感染症例があったことがさかのぼって確認された(New England Journal of Medicine 誌, 2005, 352:686-691を参照のこと)。この死亡した症例には当初H5N1ウイルスの感染の可能性は考えられていなかったが、2004年11月にその検体に多くの実験室検査が行われたときに同ウイルス感染が確認された。この脳炎研究の対象となった患者からの検体には、現在すべてH5N1ウイルスの検査が行われている。

新しい鳥インフルエンザ感染症例についての情報はきわめて大きな関心事であり、WHOは個々の新しい症例について可能な限りのデータを収集してゆく。多くの国がパ ンデミックへの準備を強化している現在、このデータはきわめて重要である。

(2005/3/8 IDSC 掲載)

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