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WHO 更新情報 | |
鳥インフルエンザ- 中国のブタからH5N1亜型を検出
2004年8月20日 WHO(原文) |
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WHOはこの研究報告の確認と詳細を請求中である。 *参考: Haiyan Li et al. Serological and virologic surveillance of swine influenza in China from 2000 to 2003. International Congress Series 1263 (2004) 754?757 李海燕 et al. 猪流感病毒的間伝播及分子化Chin J Vet Sci 2004; 24(3): 304−309 ブタは鳥インフルエンザウイルスに感受性があることが知られている。しかし、ブタのH5N1亜型のウイルス株への自然感染はこれまでに報告されていない。 おそらくブタと野鳥の接触によって起こったと考えられるが、このブタでの感染がまれなものかどうかを知ることが、人の健康への影響を評価するうえで重要である。野生の水鳥はあらゆるA型インフルエンザウイルスの自然界での保有宿主(natural reservoir)であり、無症状のままでH5N1亜型ウイルス株を運び、大量のウイルスをその糞便中に排泄することが知られている。 家禽から豚に直接感染したかどうかを確認するためには、このブタでみられたH5N1亜型の株を、最近アジアのいくつかの地域の家禽の間に循環しているウイルス株と比較することが必要である。もしもこのウイルスが家禽から多数の豚に直接伝播した証拠があるならば、パンデミックを起こす可能性のある、新型インフルエンザウイルスの出現機会を増大することになり、重大な懸念材料である。 ブタは、前世紀におこったインフルエンザパンデミックのうち2回の、原因となった新型インフルエンザウイルスの出現に関係するとされている。ブタは、ヒトおよび鳥のインフルエンザウイルスへ感受性を示すためのレセプターを、その呼吸器に持っている。もしブタが、ヒトと鳥のインフルエンザウイルスに同時に感染したなら、“再集合”として知られている、2つのウイルス間での遺伝物質の交換過程を促進させる“混合器”の役割を果たすことになる。その結果生まれる新しいウイルスは、人間の免疫系には認知されず、もしヒト−ヒト感染伝播を効果的におこなえるだけの、ヒト由来の遺伝子を保持し、かつヒトに重篤な疾患を起こすことができれば、そのウイルスはパンデミックを起こす可能性をもつ。 もしブタでH5N1亜型への感染が確認された場合は、鳥インフルエンザの疫学を複雑にすることになるが、他の知見も含めて考えてみる必要がある。今年初めの、ベトナムにおける家禽でのH5N1亜型の流行のピーク時において、家禽のあいだに広範なウイルス感染がある農場のブタに対して、徹底的な検査が実施されたが、ブタが感染した証拠はみつからなかった。さらに、香港当局では中国本土から輸入された豚に対して、H5亜型の鳥インフルエンザウイルスの感染があるかどうか定期的な無作為検査を実施しているが、これまでに感染は確認されていない。 WHOはFAO(国際連合食糧農業機関)およびOIE(国際獣疫事務局)と協力し、より詳細な情報が入手でき次第、報告されたブタにおけるH5N1亜型感染の持つ意味の評価を続けて行く。 (2004/8/25 IDSC掲載) |
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