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  ベトナムにおいて3人の鳥インフルエンザ死亡例が確認

    2004年8月12日 WHO(原文


ベトナム健康省は本日、ベトナムでインフルエンザ様の疾患により最近死亡した3人が、鳥インフルエンザに感染していたとWHOに報告した。これらの症例は、2月の終わり以降初めての、ベトナムでの鳥インフルエンザ公式報告例である。

この3症例は一団の患者の中に含まれ、7月19日から8月8日までの間にベトナムの病院に入院し、この集団には保健当局による調査が行われている。

初期検査によりウイルスがH5亜型に属することが判明した。このウイルスが今年初めに、ベトナムで22症例(うち15人死亡)、およびタイで12症例(うち8人死亡)を引き起こしたものと同じH5N1株に属するかどうかを決定するためには、さらなる検査が必要である。

今日までのところ、H5N1が、感染した家禽から直接ヒトでの病気を引き起こしたことを知られている、唯一のH5亜型の株である。

死亡例のうち2例は北部のハ−タイ省で発生した。3例目は南部のハウザン省で発生した。WHOのベトナム事務所のスタッフは明日(註:8月13日)、これらの症例に関するさらに詳細な情報を収集し、この状況を解決するための計画を提言するために、ベトナム保健省と話し合う予定である。ベトナム政府は本日、家禽でのこの疾患を制御し、さらなるヒト症例の出現を防止することを目的とした一連の初動対策を発表した。

WHOはこれらの症例から得られたウイルスが、WHOの世界的インフルエンザサーベイランスネットワーク内の研究施設による詳細な解析に利用できるように提供されることが、特に重要だと考えている。更なる研究により、ウイルスが変異しているか否かを確認することに役立ち、集団発生へのさらなる進展、ヒトへの危険性、そして最善の防御方策に関する貴重な情報が生み出される。ウイルスの研究はまた、現在進行中であるヒトに有効なワクチンの開発を更にすすめるという点でも重要である。

これらの症例とその接触者の徹底的な疫学的および臨床的調査が、ヒトに対する危険性の理解を向上するために必要である。

今年初めにベトナムは、全国64省のうち57省で4,300万羽以上の死亡または殺処分という結果になった、家禽における高病原性H5N1鳥インフルエンザの集団発生を報告した。ベトナムは、鎮静期を経た後に7月になって、北部、中部そして南部の省で家禽における新たな集団発生を報告した。集団発生は7月に中国、インドネシア、タイでも報告された。

今回のヒト症例が確認されたことは、感染家禽からヒトへのウイルスの感染伝播の危険性を浮き彫りにしている。この危険性は家禽で集団発生が起こっている限り継続する。もっとも懸念される事項は、ウイルスのヒトへの感染伝播が継続的することにより、トリとヒトのインフルエンザウイルスの間で遺伝子を交換する機会を与え、インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)を起こす可能性を秘めた、新しいウイルスの出現を招く可能性である。

(2004/8/13 IDSC掲載)

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