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ヒトのH5N1型インフルエンザウイルス感染防止に必要な対策: ウイルス株共有の必要性

 2004年7月16日 WHO(原文

 



WHOは、アジア各国で連続している高病原性鳥インフルエンザH5N1型の集団発生について、引き続き注意を払っている。

 

・  Avian influenza - Current evaluation of risks to humans from H5N1 following recent reports

 

この集団発生は、いままでのところ家禽類に限られているが、それでもなお、世界的パンデミックを引き起こす能力をもった、新種のインフルエンザウイルス株の出現する可能性や、ヒトへのウイルス伝播や感染の機会を増加させる。

 

このような状況において、WHOは、H5N1型ウイルスに感染した家禽の殺処分にあたる人々を保護することの必要性を、再度強調する。H5N1型ウイルスに感染した家禽類に曝露される可能性のある作業員は、殺処分の過程において、高い曝露のリスクがあるため、適切な個人防御装備(例:防護衣、マスク、ゴーグル)を着用しなくてはならない。

 

個人防御装具の着用以外にWHOは、以下を推奨している:

・      鳥インフルエンザとヒトのインフルエンザの重複感染をさける。このような感染は、パンデミックとなるインフルエンザウイルスの出現につながるため、大量の殺処分に直接に、あるいは輸送や埋葬、焼却に携わるすべての人々は、そのときのヒトのインフルエンザウイルスのWHO推奨株に対するワクチンを接種するべきである。

・      感染した家禽、あるいは感染の疑いがある農場に曝露した人々はすべて、地方保健当局の密接な観察下に置かれるべきである。国家当局もまた、インフルエンザあるいはインフルエンザ様疾患のクラスター(患者集積)の報告に関するサーベイランスを強化する必要がある。

・      抗ウイルス剤による治療が、高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染した可能性のあるヒト症例の治療に、常時適用できる状態でなければならない。もしも、抗ウイルス剤が十分な量入手できるならば、予防投薬を考慮するべきである。

 

高病原性鳥インフルエンザに感染した可能性のある動物の殺処理に携わる人員の防御に対するWHOの暫定的勧告(WPRO,1月26日)」(原文PDF)内に示された一覧を参照すること。

WHOはまた各国に対し、集団発生の原因となっている鳥インフルエンザウイルス株を、WHOの国際ネットワークリファレンス研究施設(3月23日)原文)と、直ちに共有するための標準的方法を決めることを強く求めている。

 

WHOは国際保健と農業行政部門の継続的協力により、鳥インフルエンザウイルス検体の即時共有のための一連の手順が確立されることを期待している。WHOはこのウイルス検体なしには、適切なワクチン用プロトタイプ株と、それに関連したワクチン製造業者への指示を提供することができない。

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(2004/8/3 IDSC掲載)