エジプト保健人口省は、鳥インフルエンザウイルスA（H5N1）の2例のヒト感染症例をWHOに報告した。

　1例目はカイロ行政区（Cairo Governorate）の2歳の女児である。女児は2011年10月30日にインフルエンザ様疾患（ILI）の症状でハロワン発熱病院（Helwan Fever Hospital）の外来を受診した。症例は、エジプト中央公衆衛生研究所（Central Public Health Laboratories）において、ILIサーベイランス定点からのILI外来患者検体の定期的な検査によるRT-PCR検査で確定された。疫学調査チームが確定診断後に調査を実施した。症例の家族から収集したデータから後方視的に調査したところ、裏庭で家禽との接触歴があった。症例の検体はアメリカ海軍医学研究ユニットNo.3（US Naval Medical Research Unit：NAMRU-3）に送られ、さらに塩基配列解析を実施中である。

　2例目はファイム行政区（Fayium Governorate）の31歳の男性である。2012年1月1日に発症、14日からオセルタミビルを投与され、集中治療室（critical care unit）に入院中である。症例はWHOの世界インフルエンザサーベイランスネットワーク（Grobal Influenza Surveillance Network）の国家インフルエンザセンターである中央公衆衛生研究所で確定診断された。

　疫学的調査によると、2例とも庭で飼育されている家禽への暴露が指摘されている。

　エジプトではこれまでに159例が確定診断され、そのうち55例が死亡している。