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高病原性鳥インフルエンザ

WHO 更新情報
  鳥インフルエンザ−連合王国における鳥インフルエンザA/H7N2のヒト症例

    2007年5月26日 WHO Europe(原文


2007年5月25日、連合王国保健局(Health Protection Agency、HPA)は、ウェールズ・ConwyのCorwen農場で鳥インフルエンザ感染家禽に曝露した4人においてインフルエンザA/H7N2ウイルス感染が検査確認された、と発表した。ウェールスにおける家禽での集団発生は2007年5月8日にConwyのCorwen農場の小農地で始まり、2007年5月24日に検査確認され、2007年5月25日に国際獣疫事務局へ報告された。

インフルエンザA/H7N2感染はさらに5人に対しても疑われたが、その人達の検査結果は陰性であった。インフルエンザA/H7N2ウイルス感染が疑われた9人はすべて結膜炎やインフルエンザ様症状などの軽い症状を呈していた。当初入院していた3人は退院している。

予防的措置として、ウェールズの保健局とHPA North Westは症状を呈した人々に対する密接接触者すべての追跡およびフォローアップを行なっている。

ConwyのCorwen農場における家禽での集団発生の源を追跡する調査が行なわれており、CheshireのChelford市場で家禽を購入したことと疫学的に関連があるという可能性が示唆されている。2007年5月7日にChelford市場を訪れた家禽を飼っている人は動物保健当局に連絡するよう求められている。

ヒトと動物の検体に対して現時点までに行なわれた実験室検査によって同定されたインフルエンザA/H7N2ウイルスは、鳥インフルエンザの低病原性株である。このウイルスは、東南アジアや散発的にヨーロッパ地域において現在流行している高病原性インフルエンザA/H5N1ウイルスとは異なる。ヒトにおけるインフルエンザA/H7N2ウイルス感染は一般に軽症である。

その他のインフルエンザA/H7ウイルス株(2006年連合王国におけるH7N3、2003年オランダにおけるH7N7)が、低・高両方の病原性によって特徴づけられるが、家禽において集団発生を引き起こしてきた。それらの集団発生のさなかに曝露したヒトにおいてヒト感染も報告されている。これらの感染は、無症状であるか、結膜炎やインフルエンザ様症状などの軽症である。そのことは2006年連合王国でのインフルエンザA/H7N3ウイルス集団発生の際に認められており、その際には家禽業労働者が結膜炎を呈した。

しかし、2003年にオランダの家禽を巻き込んだ高病原性インフルエンザA/H7N7ウイルスの集団発生の際には、主に結膜炎を主体とする軽症な86名に対して検査確定され、1人の獣医師が急性呼吸逼迫症候群を呈してその後死亡している。




(2007/5/30 IDSC 掲載)



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