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鳥インフルエンザA(H5N1)―更新8

 2004年1月26日 WHO(原文

 


タイの状況

タイの公衆衛生省は本日、H5N1鳥インフルエンザ感染の同国3人目のヒトの症例が検査により確認されたと発表した。患者はスコタイ県(Sukhothai province)の6歳の子供で、現在生存している。

タイ健康当局は、カンチャナブリー県(Kanchanaburi province)の6歳の男児の死亡も確認した。この男児のH5N1感染は金曜日(1月23日)に発表されたが、日曜日(1月25日)の夜に死亡した。男児は重症肺炎及び急性呼吸促迫症候群によりバンコクの病院に入院していた。

以前にタイで発表された別の症例はスパンブリー県(Suphanburi province)の7歳の少年である。

海外渡航者への助言

WHOは現在、ヒトでの感染例も報告されている国々も含めて、家禽集団でのH5N1鳥インフルエンザ集団発生に現在直面しているがどの国への渡航制限をも勧告しない。

現時点でWHOは、家禽において鳥インフルエンザの集団発生が確認されている地域への渡航者が生きた動物を取り扱う市場や家禽農場に近づかないことを勧告する。感染したトリの糞に大量のウィルスが排泄されることが知られている。

12月中旬以降、H5N1の集団発生は、大韓民国、日本、ベトナム、タイ、カンボジアの家禽集団で確認されている。その他の国々でも家禽類の死亡が確認され、原因は現在調査中である。

日本の集団発生は山口県にある単一の養鶏場に留まっている。集団発生は1月12日に報告され、それ以上、他の養鶏場への波及は確認されていない。感染が確認された養鶏場の計34,600羽の鶏は、死亡したか、1月20日までに殺処分された。

同じH5N1株によって起きたヒトの症例及びヒトの死亡は、これらの国々のうちベトナムとタイの2ヶ国で報告された。症例のほとんどは感染したトリとの直接接触に関連していた。現時点でWHOには、ヒトーヒト感染が起きている情報はない。

インフルエンザウイルスは熱によって失活する。予防として消費者は、卵を含む家禽の食材はすべて完全に加熱調理されていることを確認すべきである。


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(2004/1/28 掲載)