高病原性鳥インフルエンザ > 海外情報

 
ヒトにおける高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)―更新9

 2004年1月27日 WHO(原文

 


タイにおける状況

タイの公衆衛生省は本日、トリインフルエンザウイルスH5N1株のヒト感染による2例目の死亡を確認した。

死亡例は、昨日H5N1感染が確認されたスコタイ県(Sukhothai province)の6歳の男児で、本日(1月27日)死亡した。この男児は、タイで3番目のH5N1高病原性鳥インフルエンザ確定例であり、この疾患による同国の2番目の死亡例である。

タイにおけるもう1例の死亡例は、同じ6歳のカンチャナブリー県(Kanchanaburi province)の男児で、1月25日に死亡した。

現在の状況の概要

本日までのところベトナムとタイの2カ国のみが、診断検査によるヒトH5N1感染の確定症例を報告している。ベトナムは7症例を報告しており、このうち6例が死亡している。タイは3症例を報告し、2例が死亡している。

ヒトにおける症例と死亡例は、両国やその他のアジア数カ国における、家禽類のH5N1高病原性鳥インフルエンザの集団発生と同時に発生した。この疾患はベトナム、タイの両国で、広範囲に家禽類の間に広がっている。複数のWHOのチームが、世界的集団発生の警報と対応のためのネットワークであるGOARN(Global Outbreak Alert and Response Network)を通じて編成され、両国で国家当局を支援している。WHO世界インフルエンザ・サーベイランスネットワークに属する各施設が、診断と調査を支援している。WHOは国連食糧農業機関(FAO)や国際獣疫事務局(OIE)と密接に協力している。

ここ数日のうちに、アジア数カ国において家禽群の死亡を検知しており、起因病原体の特定のための検査が現在行われている。

高病原性のH5N1鳥インフルエンザの動物からヒトへの感染伝播の可能性は、大きな懸念材料である。この特定の株の存在を確認するための検査には数日かかり、特にそのための設備が完備されている研究施設で実施されなければならない。

------------------------------------------------

(2004/1/28 掲載)